先月F35戦闘機が青森沖に墜落した事は記憶に新しいと思いますが、そのF35戦闘機の回収に米軍が民間の潜水支援船「ファン・ゴッホ」を雇いました。この「ファン・ゴッホ」機動戦士ガンダムに登場する「レウルーラ」に似ていると話題になりました。日本も海底広域研究船「かいめい」を出動させ、異例の態勢で作業を行った結果、フライトレコーダーと機体の一部の回収に成功。現在、2隻とも現場海域を離れ、AIS(自動船舶識別装置)情報によると、「ファン・ゴッホ」は5月10日正午現在、千葉県銚子市犬吠埼沖を横浜に向け航行中、5月11日8時に横浜へ入港予定との事。ちなみに「かいめい」はすでに横須賀港へ帰港しています。
どの様な作業が行われたのか?
F35戦闘機の墜落現場は、青森県沖の太平洋。水深1500m程の現場。
機体はバラバラになっているとみられ、まずはバラバラになった機体を探す作業から入ったものとみられます。もちろんある程度の消息を絶った位置や、最初に発見された尾翼のポジションはわかっているのでしょうけど、バラバラになった機体の飛び散り方や、海面に落水した後、潮流により流されて沈んでいる事は容易に想像できるでしょう。
岩屋毅防衛相の発表によると、海底広域研究船「かいめい」からの情報に基づき、潜水支援船「ファン・ゴッホ」3日以降に回収したとの事。
その発表から想像すると、「かいめい」の2次元探査システムにより、海底に沈む機体の探索を行い、機体の位置を把握。3次元高解析システムで海底を探査。明らかに岩礁等ではない異物を海底に発見。海底地形などのデータを集積し「ファン・ゴッホ」のROVにて機体の玉かけ(吊り上げるワイヤーを機体にセットする)150T吊りクレーンで機体の回収とこの様な流れであったと推測できます。
海底広域研究船「かいめい」とは?
海洋研究開発機構に所属する最新鋭の探査船
海底の詳細なデータを集積する事を得意とし、海底資源の探索、地震・津波に対する防災・減災の研究に貢献するとあります。スペックとしては、
全長 | 100.5m |
幅 | 20.5m |
深さ | 9m |
喫水 | 6m |
国際総トン数 | 5747トン |
航続距離 | 約9000海里 |
定員 | 65名(乗組員27名/研究者等38名) |
主推進機関 | 推進電動機(2400KW×2基) |
主推進方式 | アジマス推進器2基 |
となってます。調査船の動力的には標準レベルぐらいかな?との印象です。
オモテに格納式アジマススラスターを備えており、ファン・ゴッホと似たようなスペックだなという感じです。
一番の特徴は、3モード探査システムで、ストリーマーケーブルという音波を受信するケーブルを色々なフォーメーションに組み合わせる事により、2次元探査、3次元探査、3次元高解像度探査と色々な海底形状の分析が行えるようになっています。
まとめ
残念ながら、F35戦闘機を操縦していた細見彰里3等空佐は依然不明のままで、駆逐艦や民間のチャーター船を使い探索を続けるそうです。早く見つかることをお祈りしています。
F35戦闘機には、外国に知られては良くない機密事項がかなりあるのでしょう。米軍も防衛省もまだまだ探索を続けると思います。早く収束するとよいですね。
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