長崎の街に海水が流入!!「副振動」「あびき」現象とは

気象

昨夜、長崎市内中心部で、海水が流入するという事態が発生しました。
過去にも事例があるのですが、今回は大潮の満潮と重なり、大きな騒ぎとなりました。
今日は、「あびき」の事について話したいと思います。

 



大潮の満潮っていうのは?

海は、半日事に満潮、干潮の周期を繰り返すのですが、これは太陽と月の引力によって、海面が寄せられる現象であります。太陽と月と地球が一直線に並ぶと、太陽と月の引力により、大きな潮の流れができます。これが大潮と呼ばれるもので、満月の時と、逆の新月の時が大潮にあたります。満潮というのは潮が高い状態、つまり海面が潮によって上昇している状態の事を言います。昨夜の20時半頃はちょうど大潮の満潮だったわけです。

高潮ではないの?

高潮とは、台風や低気圧の通過で、海面が低気圧に吸い上げられ、盛り上がる現象です。関西国際空港が台風によって冠水したのは記憶に新しいと思います。

あびきって何なの?

別名副振動と呼ばれるもの。普段の潮汐(天文的な引力)や高潮、津波などの海面の上下は「主振動」と呼ばれ、それ以外の要素で起こる海面の上下運動を「副振動」と呼びます。

この副振動は、東シナ海の大陸棚での小さな気象の乱れから急激な気圧の変化が起こり、それにより周期の長い波が起こり、その波が港湾の奥に入るにつれて反射や共振して起こると考えられるが、原因がわからないものもあるという。
海底の地殻変動、火山性の山体崩落による海岸線の急激な変化によって発生する波を津波と呼びますが、気象による副振動を気象津波と呼んだりします。

長崎では、この副振動の事を「あびき」と呼び語源は、副振動が引いていく際、網が流される事から、「網引き」が語源と言われてます。

いつ、どこでも起きるの?

地形が由来する事が多いので、どこでもと言う訳ではないようですが、北海や地中海沿岸でも見られる現象のようです。日本では東シナ海に面している鹿児島県、熊本県、長崎県で多く見られ、特に長崎湾は、副振動が3mを超える事も。
時期的には冬から春にかけて観測され、特に3月は多く観測されてます。

過去のあびき

  • 1979年3月31日 長崎で278cmの副振動を観測。船の係船ロープが切れて流されたり、三菱造船所のドックゲートが転倒したりしている。湾億では470cmに達していたと推測される。
  • 2009年2月24~26日にかけて、天草で197cm、長崎港で157cm、枕崎港では143cm、上甑島では290cmの副振動を観測。住宅の浸水、小型船の沈没、転覆、マグロいけすが破損してマグロが逃げ出すなどの被害が出ました。

まとめ

今回は、大潮の満潮と重なり、平野部での浸水などの被害が出ましたが、幸い105cmと振動幅はそこまで大きくなかったので、人的被害は出なかったようです。
あびきが怖いのは、急激な海面の上下運動による被害なので、浸水以外の被害も出てきます。長崎地方は、高潮注意報が発令中ですので、まだまだ注意が必要です。



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