長崎の春の一大イベント。長崎帆船祭り。2000年に、日蘭交流400周年記念行事として開催。以降毎年4月下旬に行われいます。(2010年だけ7月開催)
今年はついに20回目に突入。4月18日~22日に開催。見どころを紹介します。
参加帆船
日本丸
海技教育機構が所有する、練習帆船。総トン数2570t、全長110m、幅13.8m マスト高(海面からマスト頂部まで)約55m、主機関ディーゼル機関2基、最大搭載人数190名。1984年住友重機械浦賀工場で建造。この日本丸は2代目にあたり、日本の海運業を背負う実習生を乗せ、航海訓練を行っている。
パラダ
ロシアの極東漁業技術大学所属の練習帆船。1989年建造。総トン数2987t、全長108.6m、幅14mとスペックは日本丸とほぼ同等。
ナジェジュダ
ロシアの極東海洋大学所属の練習帆船。1991年建造。総トン数2297トン。全長109.4mマスト高49.5m
1804年にロシアのレザノフが通商を求めてやってきた時の旗艦はナジェジュダであった。
ドーントレッター
ちびまるこでおなじみの、静岡県静岡市の清水港を母港とする船。清水を拠点に活動する「鈴与株式会社」の所有。総トン数131t、全長32.5m1982年にスペインで建造。南極探検や海洋調査に活躍したそうです。
みらいへ
現在は神戸港を母港として、グローバル人材育成推進機構が所有、運航している。1993年竣工当時は、船名を「あこがれ」として大阪市が所有、運航を行っていたが、2014年にバトンタッチし船名も変えられた。総トン数362t、全長52.16m、幅8.6m。普段は体験航海事業を行っている。
観光丸
江戸時代末期、幕府は海軍士官養成の為、「長崎海軍伝習所」を設立。
その練習艦としてオランダより寄贈されたのが観光丸です。時は流れ、1987年ハウステンボス(当時は長崎オランダ村)が、オランダのアムステルダム海事博物館にある当時の図面と模型をもとに、オランダのフェロルメ造船所で外見をできるだけ忠実に復元したもの。総トン数353t、全長65.8m、14,5m。よく、幕末の時代劇や黒船来航の映像は、この観光丸が映っています。
入港パレード
4月18日に開催。例年13時~14時頃。長崎港沖(女神錨地)~メイン会場の出島岸壁まで、縦列に約5分間隔で入港。例年ロシアの帆船、パラダは学生がマストに登って入港するので、女神大橋の上から見ると人まで良く見えると思います。ちなみに、パラダのマスト高が49.5mで女神大橋が65mですから、橋の上から見る景色は圧巻です。
港内クルージング
観光丸に乗船し、長崎港内を周遊できます。
定員が決まっており、人気ですぐに満員になります。
ご希望の方は、早めにお申し込み下さい。
当日の9時から観光丸乗り場付近で受付開始です。
船内一般公開
午前は9:00~11:30.午後は13:00~16:00帆船の中を見学できます。21日午後はセイルドリルがあるので全船見学できませんが、それ以外はどの船かが見学できます。
セイルドリル
20日の13:00~16:00まで予定されてます。
普段、帆船は帆をたたんだ状態で停泊していますが、岸壁に着けた状態で操帆訓練を行う事をセイルドリルと言います。全ての帆を一気に展帆してしまいます。観光丸以外は参加予定です。
全船一斉のフルセイル(全ての帆を開いた状態)は迫力があります。インスタ映え間違いなし。
特に見ごたえは日本丸。マスト(縦に立っている棒)ごとに担当の士官や実習生がいて、お互い負けじと競い合いながら展帆していきます。他の船は、帆を引き下げる形式で特に力はいらないのですが、日本丸はヤード(マストに付いている横棒)を持ち上げて展帆する帆があり、その何トンもするヤードを人力で持ち上げる訳ですから、実習生も相当気合が入ってます。(姉妹船の海王丸は材質を見直し少し軽くなっているそうです。)ちなみに、一番重たいのは下から3番目のアッパートップというヤードです。
他の船は恐らく30分前後ぐらいでフルセイル状態になると思いますが、日本丸は1時間ぐらいかかると思います。ちなみに、帆をたたむのに時間がかかるので、16:00までとなってますが、14:30~15:00頃が写真撮影タイムになると思います。
ライトアップ・イルミネーション・花火
期間中の夜19:00~22:00まで帆船がライトアップされたり、イルミネーションが飾られていたりします。20日(土)21(日)の20:30~20:45頃に花火が打ち上げられます。
出港パレード
22日午後に行われる出港パレード。13:00より順次出港していきます。
出港時には登しょう礼が行われます。登しょう礼とは、乗組員がマストに登り、お世話になった港とその土地の人にお礼の意味を込めて行われる挨拶です。帆船では最高の挨拶とされてます。日本丸では、バウスピリット(帆船の一番先端に付いている棒)に立つ一番先頭の人が号令をかけ「ごきげんよ~~~」と3回帽子を振りながら挨拶します。この一番先頭の人は、地元の人を優先的に当てるのですが、該当者がいなかった場合は抽選になります。実習生の中でも人気の高いポジションになります。
交通情報
期間中、会場周辺は非常に混雑し、渋滞が予測されます。普段から渋滞しやすい道路ですので、車で近寄らない方が無難だと思います。周辺にいくつか駐車場がありますが、週末は特に満車状態になっているのではないでしょうか。
公共交通機関は、電車の利用がおすすめです。出島電停より徒歩3分ほどです。
穴場スポット
人混みは嫌いだ!!でも帆船は見てみたい・・・ちょっと遠くから。
ライトアップや花火の時間は渋滞しそうだし、離れた場所から楽しもう。
と思われる方の為に穴場スポットを紹介します。
旭町防波堤周辺
会場である水辺の森公園。対岸は三菱重工の工場敷地内となります。
旭町防波堤は、対岸斜め奥の立地になり、カメラも望遠を使えばバッチリ撮れるのでは?ちょっと離れた場所に、駐車場もあります。
夢彩都
穴場って程の事はないのですが、会場に隣接している商業施設。恐らく誰でも思いつくので、花火の帰りは大渋滞が予想されます。
鍋冠山公園
ここも、普段から夜景スポットとして有名です。平成28年4月に展望台をリニューアル。駐車場も30台ほど止められます。
出雲町近隣公園
鍋冠山から少し下った場所に位置する公園、少し会場に近づく形にまります。
駐車場は17台。夜景もきれいです。公園周辺の道路からもきれいに見えるポイントがありますが、路上駐車、ノロノロ運転、わき見運転は迷惑(危険)ですのでやめましょう。
稲佐山
ちょっと離れすぎ?帆船を見るには望遠鏡が要りそうです。でも、360度見渡せる夜景は絶景。展望駐車場は台数が少く有料になります。稲佐山公園駐車場は500台収容。
稲佐山中腹周辺エリア
稲佐山登山道を登っていくと「稲佐公園」があり、そこからも良く見えます、ただ、駐車場はありません。もう少し上ると「アマンディ」という温泉ホテルがあります。日帰りで温泉に入れ、展望露天風呂からはばっちり見えます。
「アマンディ」から登って、「大江戸温泉ホテル清風」までの道路からは、きれいに見えるポイントがあり、夜景もきれいに見えますが、こちらも路上駐車、ノロノロ運転、わき見運転は迷惑(危険)ですのでやめましょう。
まとめ
今年もインスタ映えするポイントがたくさんあると思います。
会場のイベント、出店等も充実していると思います。
後は当日の天気に恵まれると良いですね。
4月5日追記
今年は、大型帆船3隻参加と20回目にふさわしく、盛大になりそうです。
問題は、帆船を着ける岸壁が足りないということです。
昔は、松ヶ枝岸壁にも帆船を着けた事があったのですが、今年の期間中は、大型客船の入港予定があり、松ヶ枝岸壁が使えません。ので、今年は常盤岸壁に日本丸を着けるとの事です。そうなった場合、常盤岸壁では、スペースがあまりないので、見どころである、日本丸のセイルドリルができないという事になります。観光丸も、スペースが無いので、いつも停泊している大波止桟橋からクルーズに出る事になります。
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