2020年パート社会保険拡大の加入条件は?制度開始はいつから?加入のメリット・デメリットも紹介

日常

年末になると就業調整をするパート主婦・主夫が増え、職場から姿を消すのが風物詩となっています。

これは配偶者の扶養内で働いていれば自分で社会保険料を払わずに健康保険や厚生年金に加入できるため、上限内に収めるように就業時間を抑制するからです。

健康保険・厚生年金にあえて加入しない人がいる一方、加入したくてもできない人も多くいるのが現状です。

会社に勤めているパートや非正規雇用の人は約2,165万人おり、その数は雇われている労働者の4割にも及び、その多くが被用者保険に加入できず国民健康保険や国民年金に加入しています。

しかし先月29日の国会で年金改革関連法が可決されてことによって、パート労働者への社会保険の適用範囲が拡大され、新たに65万人が社会保険に加入すると見込まれています。

そこで今回は社会保険加入について調べてみました。

2020年パート社会保険拡大の加入条件は?

まず現在のパートの社会保険加入条件を確認してみましょう。

従業員数が501人以上の企業で働く場合、以下の条件をすべて満たす必要があります。

・所定労働時間が週20時間以上

・一か月の賃金が8.8万円(年収約106万円)以上

・勤務期間が1年以上の見込みがある

・学生でないこと

勤務先の従業員数が500人以下の場合は、上記条件に加え、労働組合か労働者代表の同意、または社会保険加入中および週20時間以上勤務等の加入要件を満たす短時間労働者の1/2以上の同意があり、勤務先との合意がなされれば、「特定適用事業所」となり、パートでも社会保険に加入できます。

社会保険の保険料負担は企業にとっても大きな負担となるため、加入義務のない社会保険に任意で加入してくれる中小企業はよほど業績が安定していない限り、なかなかないかもしれませんね。

また、社会保険加入者が増えることで将来の年金給付水準の向上につながる見込みです。

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制度開始はいつから?

今回の法改正で、社会保険加入義務がある企業の従業員数を段階的に拡大することとなりました。現在の501人以上から

  • 2022年10月に「101人以上」へ
  • 2024年10月に「51人以上」にまで拡大

するようです。

この大幅な適用範囲拡大によって、社会保険に加入したくても勤務先の従業員数が少ないから加入できない、という不平等をなくすことができそうですね。

一方で、社会保険加入には「106万円の壁」が存在します。

扶養に入っているパート労働者は年収が約106万円を超えない範囲であれば、自分で社会保険料を支払わなくても健康保険や厚生年金に加入できるのです。

しかし今回の改正では、年収上限には触れていないため、やはり年末になると社会保険に加入したくない多くの扶養パート労働者が就業調整をし、そのことで結局人手不足に陥り、他の従業員に負担がかかるのではないかと懸念されています。

また、企業側の社会保険料負担の大きさも不安視されています。

パート1人を社会保険に加入させると、企業の負担は年間約25万円増えるとされています。

パート労働者を多く抱える中小企業、外食産業にとってはとても大きな負担ですよね。

そのため、経営者が賃金を下げる可能性も危惧されています。

賃金が下がり、労働負担も増えればパートで働くメリットが無くなってしまいますよね。

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社会保険の加入メリットは?

扶養に入っていなければ、社会保険加入のメリットはとても大きいです。

自己負担額

健康保険料と厚生年金保険料は企業が半分負担してくれるので、少ない自己負担額で済む場合があります。

健康保険

傷病手当:怪我や病気で欠勤する場合、給付金が支給されます。

出産手当、出産一時金:出産手当金は産前産後に給与がない場合に支給されます。

厚生年金

老後に国民年金と上乗せして支給されます。

厚生年金保険の加入期間が長い分だけ、将来上乗せされる年金額も増えます。

パートであっても手厚い保障制度を受けることができ、万一の時の備えができることが社会保険加入の大きなメリットと言えそうですね。

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社会保険の加入デメリットは?

扶養で働いていた人のデメリットはやはり

  • 保険料負担によって給与の手取りが減る

ことです。

年収130万円を超える場合、扶養を外れて社会保険に加入する必要があるのですが、社会保険料の目安は年間約20万円前後となり家計を圧迫してしまうかもしれません。

人によって社会保険加入のメリット・デメリットは大きく異なります。それを知った上で、自分に合ったライフスタイルや働き方を検討してみるのがよさそうですね。

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2020年パート社会保険拡大の加入条件は?まとめ

社会保険にあえて加入しない人、加入したくても加入できない人がいますが、今回の法改正は後者にフォーカスしたものとなっていますね。

企業側の負担はとても大きく、経営破綻する企業もあるかもしれませんが、今回の新型ウィルス感染症拡大を受けて、社会保険の適用拡大の必要性は高まっているのではないでしょうか。

働き方も、働く人も多様化している昨今、社会保険への加入を必要としている全ての人が加入できるになるといいですね。

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